株式市場のセクター分類からマクロ視点で投資を行う

はじめに

みなさんはセクターについて考えたことがあるでしょうか。

セクターとは同じような業界の企業の共通点のあるグループのことをいいます。

Global Industry Classification Standard(GICS)によると

11のセクターに株式市場を分けることができます。

これを使って投資するべきかどうか判断する材料に使うことができます。

読んでいただければさいわいです。

 
 

株式セクターへの投資

GICSを使って11のセクターにわけることができます。

  1. エネルギー
  2. 材料
  3. 工業
  4. 公共事業
  5. ヘルスケア
  6. 金融
  7. 一般消費財
  8. 生活必需品
  9. 情報テクノロジー
  10. コミュニケーションサービス
  11. 不動産

それぞれみていきましょう。

 

1.エネルギー

エネルギーセクターは石油および天然ガスに関連する企業を含んでいます。

石油や天然ガスだけではなく、石炭やエタノールなどのエネルギーも含みます。

また探索・生産だけではなく、生産に必要な機器や材料、サービスも関連事業も

エネルギーセクターに入ります。

 

2.材料

材料セクターは主に製造にかかわる企業が含まれます。

化学薬品、建設資材、製紙業、林業などが入ります。

生産することに加えてこれを運搬するサービスなども入ります。

 

3.工業

工業セクターは一般的に重機の使用を伴う事業を含みます。

重機を使うと言えば、工場で電気機器や機械を製造する部門を考えると思います。

航空宇宙や防衛、建設、エンジニアリングなどの部門も入ります。

大きいものを重機を使って作るような産業ということです。

 

4.公共事業

公共事業セクターは文字通り公共事業に関することです。

電気、ガス、水道などのインフラ設備です。

電気を一つ取ってもたくさんの部門が関わります。

電気を例にしてみましょう。

公共事業での電気は発電だけではありません。

電気の送電、配電の管理を行う業務も必要です。

ひとつをとってもたくさんの企業が関わっています。

 

5.ヘルスケア

ヘルスケアセクターには2つの大きな要素があります。

1つは外科用品、医療診断ツールなどの医療機器です。

もう1つはバイオテクノロジーに基づく医薬品と治療法の開発です。

治療法の開発には臨床試験が必須です。

臨床試験のための分析ツールや消耗品もここに含まれています。

 

6.金融

金融セクターはお金に関係するものを含みます。

銀行をはじめとして、保険会社、証券会社、住宅ローン関連の不動産投資信託も含みます。

 

7.一般消費財

一般消費財というのは消費者のお財布事情に依存する商品・サービスのセクターです。

車を買うとしても収入によって買うことができる車は異なります。

年収30億円の人なら2000万円の車を買うことができるでしょう。

しかし年収が300万円の人が同じ車を買うことは厳しいです。

このセクターでは不動産やホテル、レジャー用品などの高価格商品を含みます。

 

8.生活必需品

生活必需品というのは経済状況に関係なく、消費者が必要な商品やサービスを含みます。

食品、飲料は経済状況が悪くなったから買われなくなるということはありません。

日用品でも同様です。不景気には関係なく消費されます。

これらを売っているスーパーマーケットもこのセクターに含まれます。

9.情報テクノロジー

情報テクノロジーセクターは現在の技術革新をけん引している企業を含みます。

ソフトウェアの製作・提供があります。

ソフトウェアを動かすための半導体メーカーもこのセクターです。

ソフトウェア・ハードウェアともに現代の産業を支える基盤となっています。

 

10.コミュニケーションサービス

コミュニケーションサービスはGICSで最近付け加えられたものです。

昔ながらのテレビ・ラジオなどがあります。

現代で大きくけん引しているのはデジタル広告があります。

インターネットが広く浸透しており、それに付随する広告などが入ります。

一言で言えば、メディアというものがここに入ります。

 

11.不動産

不動産には2つの要素があります。

1つは不動産の管理・販売の要素です。仲介業者なども入ります。

もう一つは不動産投資信託(REIT)というものがあります。

REITはテナント管理での賃料や地価などで変動する投資信託の一つです。

大きなビルには一人で投資するのは難しいです。

たくさんの人から少額ずつ出資してもらえば、ビルに投資することは可能になります。

 

セクター同士の結びつき

セクターで分類されますが、全て独立しているわけではありません。

不動産を例にしてみましょう。

 

不動産を新しく建てることを決めました。

消費者は建築会社で契約します。(7)

新しく家を建てるためには資材が必要です。(2)

できた資材を運搬します。(3)

資材を使って建築会社は不動産を建てます。(3)

できた不動産には電気・ガス・水道などが必要です。(4)

建てられた不動産はローンで購入しました。(6)

その不動産に新しいテナントを入れようとすると仲介してもらいます。(11)

※数字は上記のセクターを表します。

 

このように不動産と一言で言ってもたくさんのセクターが関係しています。

これだけたくさんのセクターが関係しているとどこかが悪くなると全部が悪くなります。

それが不況ということに繋がります。

不況になると流れが滞るのです。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

セクターを通して業界全体を見ることができます。

業界を見渡すとどのセクターが利益が高そうかみることができます。

そのセクターのうち、事業のよい企業を見つけるきっかけになります。

 

またセクター同士のつながりという意味では連想ゲームのようになります。

連想ゲームでつながりをみると、社会の流れも見えていきます。

住宅が建てる人が減るとすると様々な企業にダメージが出るなと考えたりできます。

セクターをみることで広い視点をもって投資ができるようになります。

 

企業を重点的にみるミクロの視点も必要です。

セクターでみて全体を掴むマクロの視点も持てるようにしましょう。

読んでいただきありがとうございました。

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