円安・円高とは?〜知っているようで説明できない知識

はじめに

皆さんは円安・円高について説明できるでしょうか。

ニュースでもよく耳にしたことがあるかと思います。

聞いたことはあるけど、うまく説明できない人もいるかと思います。

今回は円安・円高について説明してみます。

読んでいただければ幸いです。

 

円安・円高とは

これは簡単にいうと、相対的な尺度であるということです。

絶対的な基準はありません。

ある基準があって、そのラインより上なら円高、そのラインより下なら円安というわけではありません。

 

ここでいう相対的な尺度というのは他の通貨と比較してということです。

世界中には円の他にはドル、ユーロ、中国元、トルコリラなど様々な通貨があります。

これらの通貨との相対的な値段の差についてを円安や円高と表現しているのです。

 

ここではある基準として1ドル=100円ということで考えてみます。

1ドル=100円だったものが1ドル=90円になったとします。

この時は円高・ドル安といいます。

 

逆に1ドル=100円だったものが1ドル=110円になったとします。

この時は円安・ドル高といいます。

 

円の数字が小さくなっているのに高いとなっていることに最初は違和感を感じるかと思います。

円高・ドル安というのは円の価値の方がドルの価値より「高い」ということを示しています。

今まで1ドルと交換するためには100円必要だったものが90円になるのです。

つまり1ドルの価値は90円になっていると言えます。

こうなるとドル安ということが理解できると思います。

 

逆のことを考えてみましょう。

100円と交換するためには1ドル必要でした。しかし1ドル=90円になると

100円と交換するためには1.1ドル必要になります。

今まで1ドルで100円と交換できていたものが1.1ドルを持っていないと交換できないということです。

つまり1ドル=90円の時の100円の価値は1.1ドルになっているということです。

こうなると円高ということが理解できると思います。

 

円安・ドル高というのはこれらの考え方の全く逆のことをすれば良いです。

 

これが様々な通貨に対して時間と共に変化し続けているということです。

 

 

 

 

通貨の価値とは

通貨の価値はどのように決まるでしょうか。

これは通貨の話には止まりません。

 

通貨がやり取りされるのは一言で言うとどこでしょうか。

市場(マーケット)」です!

マーケットと聞くと

スーパーマーケットのイラスト  フリーマーケットのイラスト(男性)

こんなものを思い浮かべた人もいるかと思います。

 

近からずとも遠からずです。

マーケットとはお金をやり取りする場所と考えれば良いです。

 

消費者はお店と「商品」と「代金」を交換します。

お店はもらった代金で仕入れた商品の代金を払います。また光熱費や人件費も払います。

このようにお金のやり取りが発生しています。

またスーパーマーケットでは外国のもの(肉、ワイン、チーズ、野菜など)も売っています。

外国から仕入れていると言うことは外国とお金のやり取りがあると言うことです。

つまり1ドル=100円のような話が重要になると言うことです。

 

そして通貨の価値の基準はどのように決まるでしょうか。

これは「需要」と「供給」です

 

世界中には円を買いたいと思っている人とドルを売りたいと思っている人がたくさんいます。

  • 円を売ってドルを買いたい人
  • ドルを売って円を買いたい人

これらの人の通貨のやり取りによって決まります。

 

わかりにくいかもしれないので、もっと簡単な例を示してみましょう。

2020年3月にはコロナウィルスが猛威をふるいました。

この時にはマスクや消毒薬の需要が急増しました。

みんなマスクや消毒薬を求めて様々な店舗に行った人もいたかと思います。

あればマスクや消毒薬が次いつ手に入るかわからないからと相場より高くなっていても買っていたでしょう。

転売ヤーの人たちも値上げに加担していたと言えるでしょう。

この状態は需要が急増したと言えます。逆に言えば供給が追いついていなかったと言えます。

逆に食料品は飲食店やホテル、給食がなくなって消費が減ってしまいました。

すると少しでも損失を減らしたい生産者は価格を下げてでも売ろうとしていました。

これは需要が減っていて、供給が増えている状態といえます。

 

このように需要と供給のバランスが崩れれば値段が動くと言うことです。

これが通貨でも起きるということです。

円を欲しいと思う人がたくさんいればその価格は上がり円高になると言うことです。

逆に円を売りたいと言う人がたくさんいれば、その価格は下り円安になります。

このバランスをが落ち着く場所が1ドル=○円と言われる点といえます。

これは中学校では均衡価格と習います。

経済|「価格と需要・供給の関係」のグラフの見方|中学社会|定期テスト対策サイト

出典:進研ゼミ中学講座

 

 

 

 

 

どのように役に立つの?

この円安・円高というのは実生活ではどのように役立つでしょうか。

円安・円高の場合を具体的に見てみましょう。

前提として1ドル=100円とします。

 

円高の世界

1ドル=90円の円高の世界を考えてみます。

アメリカのブランド企業が日本で商品を100ドルの商品を売るとすると日本では1万円で売ることになります。

これが1ドル=90円になったとします。

つまり日本では9000円になって売られるということです。

 

しかしアメリカのブランドは円高になろうと売り上げは100ドルに変わりはありません。

むしろ1000円値引きされたとして購入数は増えるかもしれません。

円高になってもアメリカのブランドは損をすることはないのです。

 

これは日本企業がアメリカで売る場合はどうなるでしょうか。

日本で1万円で売っていたものはアメリカでは100ドルです。

この時に1ドル=90円になったとします。

この時にはアメリカでの代金は111ドルになります。

アメリカでは値上げされた状態で商売をする必要があるということです。

 

ここから言えることとしては円高・ドル安となると

  • 国内消費者、輸入事業者は得をする
  • 国内輸出業者・海外消費者は損をする

このようにいえます。

 

円安になると

円安になると円高と逆のことが言えます。

1ドル=110円の時アメリカのブランドの商品は11,000円になります。

つまり1000円値上げされてしまうのです。

値上げされてしまうと躊躇してしまい、購入意欲は下がります。

こうなることで国内消費者・輸入業者は不利と言えるでしょう。

 

逆に日本がアメリカへ輸出する場合は

1つ10,000円で売っていたものが90.9ドルに下がります。

こうなると海外消費者もお求めやすい値段になり、購入個数が増えます。

 

つまり

  • 国内消費者・輸入業者は損をする
  • 国内輸出業者・海外消費者は損をする

ということです。

 

今度はこれを資産運用に生かしてみましょう。

 

 

 

資産形成と通貨価格の変動

資産形成と通貨価格の変動はどのように関係しているでしょうか。

通貨は相対的な価値を表しています。

日本株だけに投資している場合でも、その企業は海外との取引もあります。

そうなると通貨の動きにも注意を払うことは大切です。

 

米国株式を購入している際には円をドルに変えることから取引は始まります。

円安と円高はどちらの方が通貨を交換する際に良いでしょうか。

 

答えは円高です。

円高になると1ドルに必要な日本円は減ります。

つまり円高になればたくさんのドルと交換できることになります。

株価が同じ時では通貨は自国の通貨高になっている時が良いです。

  1ドル=90円 1ドル=105円
10万円とドルを交換する 1,111.1ドル 952.4ドル

このような差が生まれます。

通貨を交換する際には円高にするといいです。

 

ここから言えることとしては海外旅行も円高の方がいいと言えますよね。

海外でお金を使う時には自国の通貨高の時が良いと覚えましょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

円安・円高は資産形成をしていると日頃聞く言葉ではありますが、とっつきにくさもあります。

小さなことでも積み上げていくことが大切です。

初心者の人にはいきなりステップを飛ばせるほどの力はないと自覚する方が良いでしょう。

力がないからこそ、小さくでも時間をかけて積み上げていきましょう。

読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

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