ゼロから始める資産形成攻略法 その⑥~使える制度は全て使う②
はじめに
このブログをよんでいただきありがとうございます。
今回はゼロから始める資産形成攻略法の第5弾として
運用利率を上げることに関して考えていきます。
資産形成のベースの考え方としての
( 収入↑ - 支出↓ ) × 運用期間 × 運用利率
というものがあります。
具体的には
- 収入を高める
- 支出を減らす
- 運用期間を長くする
- 運用利率を高める
これらになります。
今回はこれらをお得な制度を活用して総合的に使うことを考えていきます。
過去には以上のような記事もありますので読んでみてください。
iDeCo~個人型確定拠出年金
NISAと同じくらい有用な制度としてiDeCoがあります。
iDeCoとは「individual-type Difined Contribution pension plan」の略称です。
日本語では個人型確定拠出年金と言われます。
簡単に言うと自分で作る年金ということです。
ここで年金について簡単におさらいしてみましょう。
年金とは
まずは年金についておさらいしてみましょう。
年金とは公的扶助の一つです。
公的扶助というのはみんなで支えるということです。
年金の仕組みとしては20歳以上の国民から年金保険料を徴収してそのお金を受給者に配分するという仕組みです。
つまり働いている現役世代が働けなくなった高齢者などを全員で支えているような形です。
年金は大きく分けると2階建てと言われています。
国民年金と厚生年金です。
国民年金
国民年金は20歳から60歳までの日本国民全員が加入します。
これが年金の1階部分に当たります。
受給額は保険料を納めていた期間に応じて決まります。
20歳から60歳までの40年間納めた場合は月額約6.5万円になります。
厚生年金
厚生年金とは会社員が納める年金になります。
これが2階部分に当たります。
月毎の給料に対して一定の割合で天引きされています。
そのため人それぞれで保険料も受給額も異なります。
今回のiDeCoは3階部分に当たります。
iDeCoのように3階部分に当たるものは厚生年金基金や企業型確定拠出年金などあります。
iDeCoは「individual=個人」とあるように個人で作る年金ということになります。
3階部分はサラリーマンには手厚くなっていましたが、自営業者や主婦などの第1・3被保険者には保障が手薄でした。
第1号被保険者は2階部分すらない状態でした。iDeCoはそれを補う意味でも作られています。
出典:https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/structure/img/4-3.jpg
年金について図にすると上図のようになります。
iDeCoの概要
iDeCoは紹介したようにように個人型確定拠出年金のことです。
簡単にいうと「個人でそれぞれ掛け金を設定して年金を作る」ということです。
掛け金を自分で設定し、その資金で運用して自分年金を作ります。
その際に運用で得た利益が非課税になるというものです。
iDeCoの大きなメリットとして3つあります。
- 掛け金が全額所得控除
- 運用益は非課税
- 受け取り時にも控除あり
順番に見ていきましょう
1.掛け金が全額所得控除
iDeCoを利用すると設定した掛け金が全額所得控除になります。
控除とは「一定の金額を差し引くこと」を言います。
所得とは収入から必要経費を引いたものになります。
そこから引かれるのが所得控除です。
このiDeCoの掛け金は所得控除として換算されます。
所得控除が大きくなるとどんなことがあるでしょうか。
これは所得税や住民税の負担が軽減されることにあります。
簡単に見てみましょう。
所得税や住民税の決まり方は下図のようになります。
iDeCoは所得控除の数字を大きくします。
それに伴ない課税所得税額が小さくなります。
結果としてそれ以下は小さくなるため、支払う所得税・住民税が小さくなるということです。
2.運用益は非課税
iDeCoは自分で掛け金を拠出して運用を行います。
その時に発生したキャピタルゲインやインカムゲインが非課税になります。
通常だと約20%が税金として引かれます。
iDeCoで運用した場合にはそれが非課税になります。
3.受け取り時にも控除あり
iDeCoの受け取りは原則として60歳以上であると決められています。
受け取る際には一括で受け取る場合と年金のように分割しながら受け取る場合とあります。
どちらで受け取る場合でも控除の対象となります。
控除があることで他に収入があっても所得税や住民税を払うことが少なくなるなどします。
iDeCoの注意点
iDeCoにはメリットもありますが、もちろんデメリットもあります。
- 原則60歳まで受け取ることができない
- 給付額は運用結果により変動する
- その他
順番に見ていきましょう
1.原則60歳まで受け取ることができない
iDeCoは、老後の資産形成を目的とした年金制度です。
そのために税制の優遇が行われています。
60歳にならないと原則として年金資産(拠出した掛金とその運用益)を引き出すことができません。
また、加入した時の年齢と期間に応じて受給できる年齢が決まります。
例外として、iDeCo加入者等が一定以上の障害状態になった場合や加入者等が死亡した場合には、
60歳前でも、障害給付金や死亡一時金を受給できます。
2.給付額は運用結果により変動する
iDeCoでは掛け金を自分で拠出して投資商品を選び、その運用益が年金の受給額になります。
そのため必ず決まった額がもらえるわけではありません。
むしろマイナスになってしまう可能性があります。
iDeCoは自分の年金のための投資であると理解してから行うことが必要です。
3.その他
- 手数料がかかる
投資である以上手数料は切っても切れない関係にあります。
手数料はNISAのところでも書いたように、低いなら低い方が良いです。
- 課税所得がない人は、掛金の所得控除は受けられない
課税所得がない人も iDeCoは利用はできますが、所得控除は利用できないということです。